【発言録】「原発ゼロの日 さようなら原発5・5(ゴーゴー)集会」


 5月5日に東京・芝公園で開催された「原発ゼロの日 さようなら原発5.5(ゴーゴー)集会」。当日の登壇者による発言を編集してまとめました。(写真はすべて今井明さん)。


司会を務めた弁護士の猿田佐世さん


生田卍さんがオープニングコンサートを盛り上げる

この瞬間を見ずに亡くなった方たちの魂と一緒に
鎌田慧さん(ルポライター・呼びかけ人)


 皆さんこんにちは。今日、いよいよ原発54基がすべて止まるという歴史的な瞬間を迎えました。昨日の雨もやんで本当にさわやかな五月晴れの天気になしまして。こどもの日です。私たちは子どもにこの地球と日本列島を残す責任がありますけど、その責任を果たしてこなかったというのは、大きな反省としてあると思います。ですから、もう止めてしまったこの原発は、もう絶対再稼働させない、ずっとこのまま持続可能な社会にするということが、私たちの今日の集会です。そして、とにかくこの歴史的な瞬間を皆さんと一緒にお祝いしたいと思います。お祝いして、それから脱原発に力強く向かっていく、そういう集会だと思います。
 しかし皆さん、考えてください。今まで全国で原発反対運動に立ち上がった人たちが、もういろんな方が鬼籍に入っています。この瞬間を見ないで亡くなっております。日本の原発反対運動にあって、残念ながら闘い破れた人がたくさんいます。この人たちの思いも今日共有します。この人たちの魂と一緒に今日は行進します。そして、その魂に守られながら、私たちは脱原発に力強く向かっていきたいと思います。
 今日の集会を「さようなら原発5.5(ゴーゴー)集会」というふうに名付けました。これは「さようなら原発」へ進んでいくという思いからです。これを政府にたたきつけて、1000万人署名と一緒にたたきつけて、日本を原発社会から脱却させる、そういうふうな思いです。
 福島の皆さん、本当に申し訳なかった。他の地域の人たちにも同じような悲しい思いをさせたくない。そういう思いも込められています。現地の人たち、住民闘争の末に亡くなった人たち、未来を担う子どもたちに。もっともっとがんばりましょう。

1000万人が声をあげれば政治は変わらざるをえない
澤地久枝さん(作家・呼びかけ人)


皆さん、よくいらっしゃいました。よく晴れて、いいこどもの日だと思います。ともかく現在は、公に動かすことになっている原発がゼロですね。最後の泊原発はいま、止めるための作業をやっているわけです。今日は原発ゼロの記念すべきこどもの日です。
 私たちはいま、新しい時代に向かって、新しい核の時代に向かって、核はいらないという世界の中ではっきりとした態度を示す国になりたいと思います。今日は原発ゼロの日です。あの日を境に日本は核兵器からも原発からもずっと遠ざかっていったということができる、世界でも先進的な国の一つになれればということを、子どもたちに誇りを持って伝えたいと思います。
 しかし、残念なことに福島の原発は事故を起こしました。そして、この放射能は子どもたちの口に入ろうとしています。もうすでに入っていますね。外からの被曝だけではなくて、呼吸だとか食べ物だとか、内部被曝が非常に深刻なわけです。そういうことを私たちは防ぎきれなかった。そのことは悔いても悔いたりないくらいの私たちの負い目です。子どもたちに対する負い目です。この国は方針というものが変わらないのではないかとお思いになる方もあるかもしれない。テレビを観ていると、そういう声ばかり拾っていますね。だけど、1000万人の人たちが反原発、脱原発の署名をし、1000万人の人たちがわれわれはもう原発は嫌だ、やめるという声をはっきり上げれば政治は変わらざるを得ません。そのことに私たちは自信を持ちましょう。一緒に力を合わせて進んでいきましょう。

真実というものを見抜く鋭い洞察力を持たなくてはならない
内橋克人さん(経済評論家・呼びかけ人)


 私たちを祝福してくれているように、今日は五月晴れとなりました。私は鯉のぼりの中でお話をするということが、大変好きです。幸せな気持ちです。そんな中で今日を迎えた思いについてお話をさせていただきたいと思います。
 本日の夕方5時、泊原発3号機の出力がいよいよ低下していきます。そして、夜の11時、出力低下から6時間、原子炉内の核分裂反応が完全に止まります。これで国内のエネルギー、つまり原発に依存するエネルギーはゼロになります。
 こういう状態を指して、日本人の集団自殺だと、こういうことをおっしゃった方がいらっしゃいますけど、絶対にそうはなりません。何の破たんも起きておりません。一つ、私たちが注意をしなければならないのは、今日原発の稼働停止ということが新たな原発立国への準備でもあります。このことを肝に銘じておかなくてはならないと思います。今回の停止、再び稼働させるための準備をしている点検であります。例えば炉心とか、タービンとか。あるいは非常用の発電機、こういったものの点検をいたします。核燃料を4分の1を取り替える。何のためにそういうことをするのでしょうか。これを再び稼働させて、3.11の前の姿に戻ろうとする。つまり、原発立国を再び立ち上がらせるための入念な準備を進めている、これが現状、現実であります。その点を皆さん、心にとどめておいていただきたい。ですから、今日迎えたこの日を、持続可能、つまりゼロの日を永久にゼロにする、そのために進めていかなくてはなりません。
 私たちは言葉のあやとか、トリックとか、レトリックとか、そういうものに惑わされてはなりません。その背景にある、真実というものを見抜く鋭い洞察力を持たなくてはなりません。今日はそのスタートの一歩です。世界を転換させなければ、本当の意味で原発ゼロという日はやってきません。そのためには、原発がなくては仕事がない、仕事がなければ生きていけない、暮らしていけないという、そういう社会の構造、あり方、政治の進め方、政策形成のあり方、それを変えていただかなければなりません。ゼロになって、それを再び永続させていく。持続可能にする。それを新たに誓う一日であると私は信じております。

楽しく笑えるオチがつくれる世の中にしたい
古今亭菊千代さん(落語家・賛同人)


 お暑い中、お疲れ様でございます。先ほど有楽町駅前で、1000万人署名のお願いを鎌田慧さん、神田香織さんと一緒にやってまいりました。つくづく感じました。今日5月5日、いろんな楽しい行事が控えていて、有楽町駅前をいそいそと歩く家族の方々。まだ署名と言われると少し嫌な顔をしたり、そっぽを向いたりする方々がいらっしゃいます。とても悲しかった。でも、それはその人たちのせいではないのだなと、つくづく感じました。この脱原発の動きが全世界、日本中に広がっていて、毎週毎週どこかで脱原発のパレードが行われているのに、新聞やテレビで取り上げない。普通に家族で暮らしている普通の人たちが、脱原発のパレードに参加して、シュプレヒコールしたり、原発いらないと叫んだりしているのに、自分たちと同じ立場の人たちがそういう運動をしているのに、それを知らされてない人たちが、「あ、特別な運動なのだな」と。そう思っている人たちがたくさんいます。
 もっともっとみんなにいっぱい知ってもらって、今日ここへ来るときにいっぱいチラシをいただきました。皆さんの努力、とてもすばらしいと思いますが、ここに来る人たちはもうわかっています。原発はいらない。問題は、「でも原発なくなると大変なんじゃないの?」とただ意識的に思っている人たちに、そうじゃない、何よりも子どもたちの未来、命、空気、普通に深呼吸ができる環境が必要なんだよということを、わかってもらうことが大切だと思います。
 今日のこの集会も、どれだけマスコミで報道されるかわかりません。もうマスコミはいいです、マスコミより口コミ!皆さんの力で世間話をするように、大きな声で今日集会へ行ったらみんな元気に意思を一つにしたよね、原発いらないよねというふうに言っていきましょう。
 5月5日、ゴーゴー。実は私、こんな皆さんの前で言うのも何ですが、55歳です。ゴーゴーです。ゼロになった今日を大事に思って、絶対に再稼働をさせないように、まだ意識のない人たちにわかっていただけるように、私も努力します。
 いま、脱原発の落語を考えているのですが、ゲンパチさんという人を悪者にして、その中にカクさんという人も入れて、その人たちを悪者にして落語を考えたのですが、どうもオチができません。楽しく笑えるオチがつくれるような世の中にしたいと思います。私の仕事です。一緒にがんばりましょう。

一瞬のゼロを一生のゼロに
長田秀樹さん(北海道平和運動フォーラム事務局長)


 皆さんこんにちは。ただいま紹介がありました、北海道から来ました。今日5月5日で、北海道・泊原発3号機が止まります。全国の仲間の皆さんが、再稼働はいらないという声を結集した、一つの結集点でもあります。ただ、再稼働を進めたい人間は夏場の電力不足、北海道においても、3.1%不足するのだから再稼働は進めたい、こうした動きが強まっています。
 泊原発の問題を3つほど報告します。一つは泊原発の位置です。泊原発は北海道の日本海側、いちばん西の端にあります。北海道は西の風が強く吹きます。特に冬場はそうです。そうすると、約70km圏内である札幌市を始め、北海道全体に汚染が広がります。そうすると北海道の第一次産業、農業、林業、水産業、そして観光もすべてダメになってしまいます。また、泊原発は泊村の地層45度傾斜したところに、強引に建てられました。その上、泊原発の沖合には、大きな活断層があることが指摘されています。さらに信じられないことに、もし事故が起きたら、原発周辺の住民は原発に向かって避難しなければいけません。当然、避難には風向きを考えなくてはなりませんが、それでも普通はまず原発から逃げると思うのです。でも、遠くへ避難する道路が行き止まりなのです。ですから、一度国道に出て、遠くへ避難しなければならないため、その国道に出るには一度原発に向かって歩いていくのです。信じられますか。これまでずっと避難道路の整備を訴えてきました。まだ出来ていないのです。
 2つめが北海道電力の甘い認識想定で、その場を切り抜けようとする姿勢です。いま1、2号機は運転停止中で、一次評価を出してまだ審査が進んでいません。4月23日に北海道電力は、泊沖の日本海周辺にある海側と陸側、この活断層が最大長さ164kmにわたって、連動することを想定した耐震安全性評価を原子力安全・保安院に出しました。最初、北電は長さ81kmと言ってきかなかったのです。専門家の指摘によって、ようやく164kmにしたのです。北電は164kmのうち、海側98kmと、陸側66kmの活断層はつながらないと一方的に決めつけて、164km全体が一つにまとまって動くという想定で行わないで、審査を出した結果なのです。こうして北電は再稼働に突き進むために、甘い認識、想定でその場しのぎで、うその安全評価で切り抜けようとしているのです。あの国民の信頼を失った保安院でさえ、それでは認められませんとして、全体を1本の活断層に見直して再評価を、こうしたことを求めているのです。
 3つめは知事の姿勢です。大飯原発を抱える福井県知事は、一次評価では不十分として、新たな基準を求めました。周辺の京都府や滋賀県知事は、再稼働への国民的な理解が得られていないとして、慎重な姿勢を示しています。これは当然なんです。知事が県民の生命、安心、安全な生活を守るために、再稼動を進める国にノーと発信することは、至極当然のことなのです。しかし、北海道の高橋知事は何て言っていると思いますか。「泊原発についての考えを国に示していただいた上での判断、議論になる」。国に判断を丸投げしているのです。なぜだかわかりますか。答えは簡単で、高橋知事は経済産業省のOBなのです。そして、北海道出身ではないのです。任期終われば帰るのです、地元に。ですから、知事も北電も道民の命を守るというような意識はありません。
 北海道平和運動フォーラムは、中央の1000万人アクションに倣って、さようなら原発1000万人アクション(北海道)を結成しました。すでに、賛同団体も100を超えています。呼びかけ人には脚本家の倉本聰さん、作家の雨宮処凛さん、そして北海道の元副知事も入っています。2月18日には、鎌田慧さんもかけつけて、あの凍結した路面の中をデモ行進しました。3.11も3.24も大規模な集会を開催し、帰って5月8日には知事に対して、再稼動反対の申し入れをします。北海道は、風力を始め自然エネルギーの宝庫です。ですから、北海道からも原発ゼロを目指します。皆さん、連帯して闘いましょう。あの枝野(幸男)経済産業大臣は、5月6日から一瞬原発はゼロになると言いました。一瞬ではありません。一生ゼロにしましょう。ありがとうございました。

日本の原子力ムラの人たちは反省が全くない
山口幸夫さん(原子力資料情報室共同代表)


 こんにちは。私は、原子力ムラというものを、どう壊すかということが、この会場にいらっしゃる人たちと、ここにいらっしゃらない人たちも含めて、最大の問題ではないかと思っています。非常に残念なことですけれど、50年前から原子力に関係する専門家、官僚、業界、この人たちの固い団結、団結という言葉はいい言葉なのですが、原子力ムラを日本の民衆は許してきたのではないでしょうか。大飯の3号機、4号機がストレス意見聴取会で、議論になる前に原子力安全・保安院の課長がこう言いました。「私たちは、時間に期限を付けずに議論をします」と。本当ですか、と聞くと「私たちは信頼を失いましたので、そうやるつもりです」と、課長は答えました。
原子力ムラのあり方が少し変わるかもしれない。一瞬思いましたけれど、その後の展開を見ていますと、11人の委員のうち、2人だけが原子力ムラに風穴を開けようと努力をして、非常に貴重な意見を述べました。にもかかわらず、保安院が判断するかたちで、大飯の3、4号機の再稼動はOKだという判断を下しました。それを原子力安全委員会、あまりにも有名になった“斑目委員会”ですね。これが良しとしました。原子力ムラのあり方は全く変わっていません。福島のあれだけの惨劇が起きながらも、日本の原子力ムラの人たちには、反省というものが全くありません。本来は4月1日から発足するはずだった原子力規制庁。たぶん秋になると思っていますけれど、この原子力規制庁が原子力ムラに寄りかかった集団を脱することができるか。はっきり言いますと悲観的です。
 原子力規制庁、極めて独立性も疑わしいですし、そこできちんと批判を展開できる専門家と称する人たちがどれだけいるか。ほとんど顔は思い浮かびませんけれど、これを私たちがきちんと監視するという方法でしか、未来はないと思います。
 今日はこどもの日なのです。次の世代のために、いま私たちができることは、原発を廃止して新しい社会システムをつくる。こういう出発点を歩み出すということだと思います。会場の皆さん、全国の人々と一緒に力を尽くそうではありませんか。ありがとうございました。

脱原発の連帯を深めて安全な東アジアを
チェヨルさん(韓国・環境財団代表)

 皆さんこんにちは。私は韓国で民主化運動、環境運動を43年間やってまいりましたが、今日初めて鉢巻をしました。まず皆さんと一緒に呼びかけたいと思います。
 「サイカドウハンタイ!ゲンパツハンタイ!」
 今日は日本列島にある54基の原発が全て止まる歴史的な日です。今朝のテレビで、原発再稼動は誰が決めるのかということを尋ねるアンケート調査を観ました。そこでは政治家や専門家よりも市民が決定すべきことであるという意見が圧倒的に多かったのです。その理由は今までは政治家や官僚、産業界、そしてメディアなどで原発は絶対に安全で経済的であるというふうに言われていたのですが、3.11の大震災を通じて、その神話が崩れたからです。私は政府というものは国民の生命と財産を守るために存在するものだと思います。しかし日本政府は、福島の事故があったにもかかわらず、今年の夏に電力供給が足りないという名分で再稼動を推進しています。これに対して、われわれ市民社会は電力は足りているという確信の下に自然エネルギーへの転換と節電でこの局面を克服すべきだと思います。
 日本は長い間、世界においてエコノミック・アニマルと呼ばれてきました。老子の言葉の中に「無為自然」という言葉があります。つまり自然を大事にすれば、利益は自然に生まれるという意味です。しかし日本政府は生命よりも利益を重視してきました。もうこれ以上、住民の犠牲の上に経済が優先されることは許されません。私たちは3.11大震災を経て、脱原発社会を迎えるためのチャンスを迎えていると思います。そして、日本社会が新たな民主化への道を歩むような状況も迎えていると思います。私は1988年以来、日本を50回以上訪問しています。3.11以降は、他のどの国よりも日本の市民運動が活発になっていることを感じています。私は1月に横浜で開催された「脱原発世界会議」で、日本国民が民主主義を願っているという情熱を感じました。
韓国の市民たちも脱原発のために一生懸命がんばっています。市民運動家出身のパク・ウォンスン・ソウル市長も、ソウル市から原発を減らすというワークショップを開き、各家庭に自然エネルギーを導入して、エネルギー節約を実践できるアイデアを集めています。70余りの市民団体も核なき社会のための共同行動を結成して、寿命に達したコリ1号機の閉鎖運動を行っています。特に12月に行われる大統領選挙では、脱原発と自然エネルギーが主なイシューとなると私は考えています。私は昨年8月に広島で開催された原水禁世界大会で、東アジア脱原発・自然エネルギーネットワークを提案しました。そして、今年の3.11、日比谷公園では、ネットワークが結成されました。皆さん、原発の密集地域である韓国、日本、中国から脱原発の連帯を強めて、安全な東アジアをつくっていきましょう。
 「ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ、ノーモア・フクシマ、トウキョウシンブン、ファイティング!アリガトウゴザイマス!」。

今日のつながりをほどくことなく
椎名千恵子さん(原発いらない福島の女たち)


緑がきれいですね。東北も桜の花、桃の花が終わり若葉はきれいになりました。こうした中でも季節は移ろい、動いています。しかし福島は3.11以来、時間が止まっています。日曜日になると、子どもたちが街頭に駆り出されます。先日はキッズパレードと称して、1マイクロ、2マイクロ、そうした高線量の中を子どもたちは歩かされました。復興キャンペーンイベントです。今月は郡山で夢の子どもマラソンと称するイベントが行われます。ありえません。私たちの胸は張り裂けそうです。くやしいです。力は足らないのですが、何とか電話攻撃など、阻止に向かいたいと思ってはいるのですが。しかし、泣いているばかりではありません。
 先日、福島原発告訴団が立ち上がりました。また、「命の側」に立つ診療所も立ち上がっています。今日は、「原発いらない女たち」が「かんしょ踊り」で経産省を取り囲みます。かんしょ踊りは明治時代から会津地方に伝わる盆踊りです。民衆がその意地を確かめるために、178番の歌詞をつけて、踊りまくります。武藤類子さん(ハイロアクション福島原発40年実行委員会)から学びました。ところがGHQ占領下、戦後弾圧されました。あまりにも激しい民衆の意思が見えたからです。私たちはその抗いの踊りを今日踊ります。
 もう一つここで確認したいことがあります。今日はここにいる皆さん、そして「原発いらない」と全国で長年活動してきた皆さん、そして3.11以降、時間を惜しみ、体を惜しみ、がんばってくれた皆さんとともに、もうすぐ原発ゼロの日を迎えることができます。子どもへのプレゼントをすることができます。止まったのではない、止めたのだということを確認しましょう。
 そして、私はもう一つ確かめたいです。どんな絶望的なことが起きても、私たちは子どもを守る。未来を守る。未来をつくっていく。そうした大人たちがここに集まっているということです。これも子どもたちに生きる姿勢を見せるプレゼントではないでしょうか。さまざまな違いがあります。そうした違いに腹を立て、情けなくもなり、がっかりもします。しかし、そんなとき、そうした事態をいったい誰が喜ぶのかということを基本に据えて、今日のこのつながりをほどくことなく、ひるむことなく、原発がなくなる日に向かって続けていきましょう。よろしくお願いいたします。

原発の息の根を止め続けましょう
神田香織さん(講談師・賛同人)


皆様こんにちは。いわき市出身の講談師、神田香織でございます。朝は有楽町駅前で1000万人署名のお願いをしてまいりました。そして、古今亭菊千代さんと一緒に今度は移動して経産省のテント前で、ハンストを闘っている皆さんを激励してまいりました。私はハンストが始まる前の記者会見で約束させていただきました。「私はハンストには付き合えない。なぜなら食いしん坊だから。でもその代わりに大好きなお酒断って皆さんと付き合う」。
 今日5月5日、夜に原発が全部止まる。今日はかんしょ踊りをしながらビールで乾杯ということで、皆さんも一緒に乾杯していただけたらと思います。
 私の後ろにいる人、何だと思いますか。怒りの講談、私一人ではなかなか全国を走れません。一般の人でも講談の鋭い発声を練習して、それぞれテーマを持って、社会的な演目を大いにアピールしようということで、講談教室を始めました。その生徒でございます。こういう派手なハッピを着て、派手なのぼり旗を立てて、庶民の声を代弁していこうということで、これからも私たちは突き進んでいきたいと考えています。
福島県いわき市、つい最近帰りましたら。今はかつおの時期です。目に青葉、山ほととぎす、初がつお。あの浜の辺りのかつおは、土佐のかつおが及ばないくらい実はおいしいのです。ところがとれないのです。目の前にどんなに海原が広がっていようとも、かつお一匹釣ることができないのです。でも魚屋にはかつおが並んでいました。よく見たら鹿児島産のかつおでした。鹿児島産も確かにおいしいとは思いますが、目の前の宝物をとることができない。私の親友が言っていました。私は大好きないわきのアワビを食べなければ死ねない。だから死ぬ前には密漁でもいいからもぐって、アワビをとってそれから死にたい。半分冗談でしょうが。それくらい魚がとれない、食べられない。きのこもたけのこも掘っても食べられないのです。子どもたちも外で転げまわれない。そういう状況をこれ以上、日本のどこでも起こさせてはならない。福島を最後にしましょう。今日原発は止まります。この息の根を止め続けましょう。

世界中から原発をなくす始めの一歩に
落合恵子さん(作家・呼びかけ人)


 こんにちは。大丈夫ですか、暑さは。水を飲んでいますか。水はちゃんと飲んでください。本当はものすごい力を入れて声を出したいのですが、私、肋骨にひびが入ってしまいまして、今日はもう一つ力が入りませんが、何のこれしきの痛み。これだけの人たちが怒りを持ってここへ集まっているということを、やっぱり私たちは届けましょう。原発を止めることは集団自殺などという人たちに、原発を動かすことこそが全ての人たちへの集団自殺の強制なのだということを訴えていきましょう。もうこのステージで何度も語られました。5月5日、奇しくもこどもの日。私たちは原発ゼロを迎えますが、この一瞬で私たちは満足していません。永遠に日本だけではない、世界中から原発をなくす始めの一歩の日としましょう。
 1970年以来、42年ぶりに私たちは原発ゼロを迎えたのです。一瞬ではありますが、核の火を消したのです。まやかしの平和利用の名の下に核は生き延びてきました。私たちは心に刻みます。福島第一原発過酷事故以来、いまなお16万人の人々が自分たちの歴史を刻んだ故郷に、家に帰ることができず生きておられるということを。もう二度とこんなことはごめんです。原発ゼロの日を迎えたからといって、全てが終わったわけではなく、ここから全てが始まります。使用済み核燃料をはじめとして、気が遠くなるような放射能を持った破滅へのゴミを私たちは今なお持ち続けているということを、忘れてはならないと思います。放射性廃棄物の処理の方法も持たず、安全に管理する方法も一切持たずに、私たちはこの現実の中にいるということを心に刻みつつ、それでも2012年5月5日の今日、原発ゼロを迎えるこどもの日を心から歓迎しましょう。そして、これがずっと続くことを一人ひとりが約束していきましょう。
 一昨日、私たちは憲法記念日を迎えました。この時代の今の政権は、そして歴代の政権は私たちの生存権と平和をずっと脅かしてきた。そのことを忘れずにいきましょう。そして、それらの政権を倒すことができなかった私たちの責任もしっかり心に刻んでいきたいと思います。原発の存在、これ以上のテロはないと思います。始めの一歩を踏み出しましょう。メディアの皆さん、書いてください、報道してください。さあ、行きましょう!!

3件のコメント

  1. 原発の再稼働が強行されそうな雰囲気が強まっているのが気になり、久しぶりにこのホームページをのぞかせていただきました。

    私は明治公園での集会とデモに参加後、ほんの少しの署名集めをしただけなのですが、車のリヤウィンドウに手書きの 「原発は要りません」 を着けて走り回っています。
    それを切っ掛けに原発の危険性、経済的にも非効率なことを自分なりに身の回りの人に話しているのですが、それ以後の発展性があまり見られないのが残念です。

    その原因は自分の生活に精一杯で、聞き流されてしまっているように思うのですが、これはもう根気よく続けていくしかないと思っています。
    ただ、 「原発は いらない」 ステッカーがあれば(有料でも可)身の回りに配ったり、話の切っ掛け、発展性に繋がるのではと思うのですが製造のお願いは何処かに出来ないでしょうか。

  2. 私も3月に次いで2回目の参加でした。
    人間が制御出来ない原発はもう要らない。
    3.12から連続したあの爆発を忘れてはいけない。

  3. 私も参加しました。晴天に恵まれてよかったです。稼動ゼロはすばらしい成果だけれど、気を抜かずに「すべてをハイロ」しないといけないです。
    携帯ゲーム機で脱原発を訴えるソフトを見つけました。
    Hurry up!
    http://youtu.be/EiT0fbGNlsE

    ハイロ 廃炉
    http://youtu.be/6wTGxaFPIMc

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