「とどけよう!脱原発の声を」─11月26日に1000万人署名提出行動


「特定秘密保護法」が衆議院で強行採決された11月26日に、「さようなら原発一千万署名市民の会」呼び掛け人の大江健三郎さんや鎌田慧さん、落合恵子さんなどが、これまでに集まった837万余名の署名の一部を、衆・参院副議長や内閣に届けました。また、夜には千代田区「日比谷野外音楽堂」で集会が開かれ、提出の報告と1000万人署名を達成して脱原発社会の実現をめざそうと確認しあいました。

 1000万人署名運動は、2011年3月11日の東京電力福島原発事故発生を受けて、同年6月から始まり、2012年6月には第一次集約分として751万人分を提出。さらに、その後も市民団体を中心に署名が続けられ、11月20日現在、8,378,701筆を集約しました。
 26日の午後、参議院議員会館で院内集会を開いて運動経過報告や今後の取り組みなどを確認。その後、国会内で参議院の輿石東副議長、衆議院の赤松広隆副議長に署名を直接手渡し、大江さんや賛同人の佐高信さんなどが、「原発廃止に向けて政治のカジを切り、核エネルギー政策からの大転換を」と、強く訴えました。
しかし、安倍首相あての署名は、昨年は官房長官が直接受け取ったにも関わらず、今回は官邸での署名受け取りを拒否されました。安倍政権の原発推進の姿勢に、官邸前で厳しく抗議を行い、内閣府に署名を提出しました。

 18時30分から日比谷野外音楽堂で開かれた集会には、1300人の市民や労働組合代表などが参加。女優の木内みどりさんの司会で進められ、最初に鎌田慧さん(ルポライター)が署名提出の報告を行い、「秘密保護法強行採決の日と重なり、安倍内閣の姿勢が鮮明になった。新しい社会を作るため、これからもがんばろう」と呼び掛けました。
 福島からの訴えを、原発近くに住み、現在は会津に避難している千葉親子さん(脱原発福島県民会議)が行い、「今も15万人が避難し、不安な生活を強いられている。誰も責任を取ろうとしない。子どもを守れないで、秘密保護法で何を守ろうと言うのか」と、切々と訴えました。
 リレートークでは、「25日に開かれた福島での秘密保護法の公聴会では全員が反対した。未来を生きるために原発と秘密保護法に反対していこう」(大江健三郎さん)、「原発事故の時に情報が隠蔽されて、福島の人は無用な被曝をさせられた。いのちと子どもの未来を守るために力を尽くそう」(落合恵子さん)、「福島の公聴会の翌日の強行採決は、福島の切り捨てだ。法案が決まっても認められない」(澤地久枝さん)、「食品偽装が騒がれているが、偽装政治がはびこっており、原発こそ最大の偽装商品だ」(評論家の佐高信さん)、「原発事故が過去のものになろうとしている。原発は安全だと騙され、いままた騙そうとしている。その責任を取って大人は声をあげよう」(人材育成コンサルタントの辛淑玉さん)と思いを語りました。
 さらに、署名とともに寄せられた方々からのメッセージを、林洋子さん(女優・クラムボンの会)が朗読し、「原発を止めて、金が第一ではなく、人間が第一の世の中に変えよう」(福島の市民から)などと披露されました。

 集会後、参加者は思い思いのプラカードや横断幕を手にデモ行進に出発。東京電力本店前では抗議の声をあげ、銀座周辺では「原発に秘密はいらない!」などとシュプレヒコールを繰り返しました。 
 

院内集会


署名入りの箱を積み込んだトラック
 

記者会見


集会で司会を務めた木内みどりさん


鎌田慧さん


福島から千葉親子さん
発言はこちら

大江健三郎さん


落合恵子さん


澤地久枝さん


佐高信さん


辛淑玉さん


林洋子さん


写真:今井明

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