核なき世界のための共同行動(韓国)からのメッセージ

「3.9つながろうフクシマ!さよなら原発大集会」連帯メッセージ

 「3.9つながろうフクシマ!さようなら原発大集会」参加者の皆様。韓国の脱原発団体のネットワーク「核なき世界のための共同行動」が連帯のメッセージを送ります。

 2年前、隣国日本で福島原発事故が起き、約16万人の人が故郷を奪われました。避難の最中に命を落とした病弱者やお年寄り、愛する土地を奪われ絶望の果てに自殺に追い込まれた農民、あまりに過酷な事故収拾作業の最中、心筋梗塞で命を落とした労働者、避難先で誰にも看取られず孤独死で亡くなった人など原発事故によって奪われた尊い命に哀悼の意を改めて表します。
 私たちは、福島原発事故を16万人が避難を余儀なくされた1つの事故ではなく、故郷を奪われ避難をするという1つの悲劇が、16万回起きたと考えたいと思います。ですので被災者1人1人の声を丁寧に聞き、原発事故とはどういうものか記憶したいと思います。子どもに将来健康被害が起きないか日々苦悩する母親の涙から、将来好きな人と結婚できるだろうかと心配する女の子の表情から、避難区域にもかかわらず20キロ圏内に住み続けるおばあさんと、彼女を介護する娘の執念から、家族を避難させ、1人福島に残りながら寂しくカップラーメンを食べる男性の孤独から、避難したにもかかわらず生活費を稼ぐために福島第1原発の収拾作業へ向かう労働者の使命感から、原発から50キロ離れ、原発の恩恵をまったく受けてこなかったにも関わらず大事な農地を汚されながらも、なお独自の品種を守り続けようとする飯舘村の農家の闘志から、原発事故が何を引き起こすのか考えて行きたいと思います。
 福島のある女性が「私たちは今、静かに怒りを燃やす東北の鬼です」と言ったのを記憶しています。ここにいる参加者の皆さんも子どもたちを守る守護者となり、政府や東京電力の責任を問い続ける勇者となってほしいと思います。避難して安全な環境で子どもに教育を受けさせようという郡山の集団疎開裁判の闘い、事故の責任者に刑事裁判を求める福島原発告訴団の闘い、原発再稼動を阻止しようと官庁や電力会社で毎週行われている闘いなど原発事故に立ち向かい、原発のない日本を実現しようと弛みない努力を重ねる皆様を心から応援しています。
 事故が起きた日本だからこそできることもあると思います。厳格な避難基準の設置、被爆労働者への補償制度の充実、しっかしりた防災体制の実現など放射能の危険性を十分理解した基準や制度作りに邁進し、放射能から人の命を守るモデルを提供してと思います。
 そしてもう一つ、日本の脱原発運動にお願いがあります。自殺された酪農家の奥様はフィリピン人だと聞きました。心筋梗塞でなくなられた事故収拾作業員の奥様はタイ人だと聞きました。それだけを見ても事故の被害者は日本人だけでないことは明白です。そして在日の方々もたくさんおられます。日本人だけのための脱原発運動ではなく、世界のみんなのための脱原発運動になってほしいと思います。みなさまの脱原発への情熱と努力が実り豊かな成果をもたらし、生命を大事にし、多様性を尊重する日本社会になることを心より願っております。

2013年3月9日 核なき世界のための共同行動

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