【開催報告】さようなら原発9.23全国集会

雨空でも響く原発反対の声

9月23日に東京の代々木公園で「さようなら原発9.23全国集会」が開催されました。当日は曇りの天気予報でしたが、予報に反して朝から雨が降る中、4000人が集まりました。

ミニステージ報告

11時から始まったミニステージでは、最初に「浜岡原発を考える静岡ネットワーク」から、中部電力浜岡原発の再稼働申請に関してデータの捏造があったことが報告されました。「中部電力は基準地震動の捏造については認めながらも、再稼働は諦めていない。3号機は15年も停止していて、来年には40年を迎える。再申請しても何年もかかると想定されているが、老朽化した原発を再稼働するのは危険です。全国でも再稼働に反対する運動が取り組まれていますが、浜岡でも皆さんと一緒になって反対していく」と話しました。

 北区王子駅前で活動する「放射能汚染水に反対する会」からは、東海第二原発の危険性について、紙芝居を使いながら説明がありました。「防潮堤は手抜き工事。40年を想定して造られたが、もうすぐ50年。さらに10年運転しようとしているが、耐震性も低い。事故時の避難についても、東海第二原発の周辺には92万人が住んでいる。県民の7割以上が運転に疑問を持ち、27の自治体が意見書を上げている。日本原電の原発は動かさないで」と訴えました。

原発事故避難者の支援を行っている「反貧困ネットワーク」からは、「事故避難者は国家公務員宿舎に避難していますが、2019年からは2倍の家賃が請求されています。避難者自身が原告となって裁判をしていますが、10月26日には東京地裁で判決が出されます。原発事故避難者の問題は、国と東電の責任で解決すべきです。皆さんにはその支援をお願いします」と訴えました。

「さようなら原発1000万人アクション実行委員会」からは、最初に反原発新聞の末田一秀さんが、「関電ではすでにいくつかの原発が廃炉になっていますが、使用済みの鉄筋などがリサイクルされ、フライパンなどに使われようとしています。福井県では、原発廃材からベンチを作ってPR館に置いていましたが、それにとどまらず、高校生に街路灯などのデザインをさせたり、洗濯物を干すハンガーなどを作ったりして、『何も変わらないでしょう』とPRさせることが行われています」と話しました。

次に、津島原発訴訟原告の三瓶春江さんは、「故郷を汚したら、きれいにして返せと裁判を起こしましたが、2022年の判決では国の責任はないとされました。10月16日には仙台高裁で判決が出され、20日には衆議院議員会館で『ふるさとを取り戻す』集会があります」と話し、津島原発訴訟への支援を求めました。

「原子力資料情報室とワタシのミライ」からは、松久保肇さんが「電力中央研究所の研究員が『電力会社にとって原発はリスク資産。建設費の補填や賠償を国が引き受けるなどしなければ、建てたくない』と言っています。中部電力浜岡原発のように、数千億円もかけて再稼働を意図する経営陣は異常です。やるべきことは再エネと省エネです」と話しました。

東北大学の明日香壽川さんは、「一昨年、新規に導入された電源の9割以上は再生可能エネルギーでした。日本ではデータセンターによって電力需要が増えるとされていますが、増えても全電力需要の1~2%です。十分に再エネで賄えます」と話しました。

「東海第二原発差止訴訟団」からは、「現在、高裁で審理されています。来年8月の判決を予定して進められていましたが、突然、裁判官の交代が行われました。地震観測データについて、日本原電は頑なに提出を拒んでいましたが、裁判所が提出を命じる判断を出す段階になっての異動には疑問があります」との発言がありました。

また、常陸大宮市への核のごみの文献調査の申し入れについても発言があり、「市長は住民の意見をまったく聞かずに受け入れました。私たちは平和運動団体や住民とともに、核のごみを拒否する意思を示していきます」と決意を述べました。

「原子力空母の母港化の是非を問う住民投票を成功させる会」からは、原子力潜水艦の保有問題が提起されました。「通常型潜水艦の10倍以上の建造費をかけて、敵地を攻撃する能力を持つ長射程ミサイルを保有することは、憲法の専守防衛の理念からも逸脱する」と話しました。

メインステージ報告

さようなら原発の呼びかけ人の一人である古今亭菊千代さんの司会で始まりました。オープニングライブでは、病気のため左目を失明しながらも、眼帯をトレードマークに活動を続けるダースレイダーさんが、「原発はいらない!再生可能エネルギーを」というメッセージを込めた軽やかなラップで会場を沸かせました。

 

主催者代表あいさつでは、作家の鎌田慧さんが、「原子力潜水艦の保有が議論になっていますが、核武装論という流れになっています。岸田内閣以後、原発を最大限活用していく方針となっています。核のごみ処分も反対の声を押し切って進められています。高市内閣が原発を推進していくならば、原発はダメだ、自然エネルギーでいこうという運動を、私たちは進めていきましょう」と話しました。

メインスピーチでは、ピースボートの畠山澄子さんが、「2011年の東電福島第一原発事故では、ピーク時に16万5千人が避難を強いられ、15年たった今も戻れない人がいます。2024年の能登半島地震では、原発計画のあった高屋が大きな被害を受け、一時孤立状態になりました。

 戦争、原発、気候変動の三つには、持続可能ではない、フェアではない、不条理や不平等があるという共通点があります。私たちは、エネルギーの未来を自分たちの手で取り戻すことが大切です。戦争、核兵器、原発に依存しない未来をつくる。誰かに危険や犠牲を押し付けるのではなく、次の世代も安心して暮らしていける未来をつくっていきたい」と話しました。

リレースピーチでは、「ワタシのミライ」の立山大貴さんが、「2019年から気候変動の活動に参加しています。当時は大学で地球環境学を学んでいて、CO2ゼロの実現には原発が最適であるという情報を受けていました。しかし、いろいろな場所で原発について知る中で、気候危機対策として原発を推進するのはとんでもない話だと気づきました。化石燃料や原発の搾取的な構造にNOを突き付け、大規模な発電ではなく、個人でエネルギーを賄えるよう発信していきます」と話しました。

原子力資料情報室の高野聡さんは、「高レベル放射性廃棄物の処分場をめぐり、常陸大宮市に文献調査の申し入れがありました。常陸大宮市では、棚倉断層による大地震が起こる可能性があります。国は説明責任を果たさず、住民の声も聞きませんでした。国は即座に申し入れを撤回し、常陸大宮市は申し入れを拒否すべきです」と話しました。

さらに、南鳥島の問題について、小笠原母島在住の大宮かれんさんのメッセージを紹介しました。「2021年に海底火山の福徳岡ノ場が大規模噴火した際に放出された軽石は、2か月で1300キロ離れた沖縄にたどり着きました。小笠原と南鳥島も1000キロ以上離れていますが、海を通じてつながっています。遠い島の話にしないために、島の人たちと対話し、声を上げていきます」とのメッセージでした。

一般社団法人全国ご当地エネルギー協会の山崎誠さんは、「太陽光発電は、釧路湿原や山や谷を埋めてパネルを敷くのではなく、農地の上に隙間を空けて太陽光パネルを置く営農型太陽光発電や、ドイツのようにベランダに置けるプラグインソーラーなどを進めていきます。高市政権は、電気代が高くなったからと補助金を出し、電気代を安くするからどんどん使ってくださいとしていますが、やり方が違います。税金を再生可能エネルギーに使いましょう。皆さんと一緒に脱原発に取り組んでいきます」と話しました。

311甲状腺がん子ども支援ネットワークの笠谷浩平さんは、「甲状腺がんに罹患すると、経済的・精神的・身体的な負担を強いられてしまいます。進学、就職など、いろいろな人生の選択肢が狭められてしまいます。原発さえなければ病気と闘う必要もなく、人生において何かを諦める状況も生じなかったはずです。東電には、その責任を償ってもらわなければなりません。ぜひ、原告の人たちに心を寄せてください」と訴えました。

最後に、ダースレイダーさんに触発されたとして、ラップで「♪福島の甲状腺がん、東電嘘つく過剰診断、そんなのぶっ壊す最強弁護団、みんなも東電抗議しよう、がんがん♪」とラップにのせ、話を締めくくりました。

集会後は、渋谷コースと原宿コースの二方向に分かれてパレードが行われました。

■畠山澄子さんの発言原稿はこちらから。※一部言い回し等が変わっている場合もあります

■メインステージ登壇者発言全文 ※音声から文字お越しをしているため、一部間違いがある場合もあります。

 

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