さようなら原発でフィールドワーク 廃棄物・汚染土処理や廃炉の現状を知る

(廃棄物埋立処分場)

6月17、18日さようなら原発では福島フィールドワークが行われ、19人が参加しました。最初は富岡町にある環境省の「リプルンふくしま」(特定廃棄物埋立情報館)で映像モニターや施設模型等をガイドの説明を聞き、移動して実際の現場を見ました。双葉郡の生活ごみの焼却灰や県内の指定廃棄物(8千Bq/kg以上10万Bq/kg以下)の焼却灰や下水汚泥の処分場です。処分場には、安定型・遮断型・管理型とありますが、「雨水に触れる管理型にするのはおかしい」との声が加者の中からありました。

次に東電の廃炉資料館です。ここは、以前福島第二原発のPR館として利用されていた施設が展示内容を変えています。原子炉建屋等の空中映像等が大きなモニターで表示されています。東電の案内人は汚染水の排出は国が決めた方針であることを強調していました。そして、トリチウムの汚染水は基準値以下に希釈しているから問題ないとしていました。この点については参加者とやりとりが有りましたが、平行線のまま終わりました。この後、浪江町の請戸小学校を望む丘に立ち寄り、見学を終えました。

2日目は浪江町の東日本大震災・原子力災害「伝承館」からスタートしました。広い敷地に福島県が設置した建物は立派ですが、展示内容には既に多くの人から疑問が呈されています。実際に見て思うことは原発誘致の経緯や東電の責任等は全く希薄な点です。ただ、事故の進展とリノベーション構想の紹介では何を伝えたいのか見えてきません。時が止まったままの大堀相馬焼の郷大堀相馬焼の郷では、案内の渡辺さんもマイクロバスに乗り込み案内をしていただきました。大堀地区は帰還困難区域で現在も人は住んでいません。窯元の一つ春山窯では住居や店舗も見ましたが、焼き物の完成品や未完の物が残されていました。無住の住居は屋根の一部が壊れ、小動物に部屋の中まで荒らされ、別棟の店舗の中の時計は2時46分で停まっていました。それだけで、思いが込み上げてきます。

昼食後は飯舘村長泥地区の除去土壌の再生利用施設に行きました。ここは、除染に伴って排出された土壌を再利用しようする施設です。具体的にはフレコンパック中身を金属、草木などを篩い分けて、基準値以下の土壌を選別する所です。事前に名前、住所等連絡し長袖の着用や手袋の貸与もありました。施設はダンプで運びこまれたフレコンを放射線測定してから破り、ベルトコンベアで土とその他のもの選別する施設です。その土を長泥地区で水田や畑で利用しようとするものです。フレコンの量は減りますが、最終的な処分地を県外にするなど問題は山積しています。事故から11年を経過していますが、区切りは全くついていません。福島の今を知る絶好のフィールドワークでした。

 

(浪江町春山窒)

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