2011年3月11日の東日本大震災・東京電力福島第1原発事故から2周年を前に、3月9日、東京・明治公園で「『さようなら原発一千万署名』市民の会」主催で、「つながろうフクシマ!さようなら原発大集会」が開かれ、全国から1万5千人が参加しました。
集会は二部形式で開かれ、第1部は日本音楽協議会のオープニングライブを皮切りに、脱原発に取り組む各団体や各地からリレートークが行われました。福島県葛尾村から避難している小島力さんは村民による集団訴訟の取り組みを、国際環境NGOFoE Japanの満田夏花さんは「原発ゼロの後退を許すな」と訴え、原子力資料情報室の伴英幸さんも「原発再稼働をさせてなならない」と述べ、毎週金曜日に官邸前デモをするMisao Redwolfさんは「選挙結果はあっても脱原発は国民の声だ」と語気を強めました。日本消費者連盟の富山洋子さんは「安心できる社会を次代へ」と語り、元山口県祝島島民の花田恵美代さんは「海の埋め立てを許さない」との祝島島民のメッセージを代読しました。
沖縄出身の金城吉春さんとアシビナーズの歌と三線演奏をはさみ、各地からの訴えでは、茨城・東海原発(大石光伸さん)、静岡・浜岡原発(伊藤実さん)、青森・六カ所村再処理工場(山田清彦さん)、北海道・泊原発(小野有五さん)について、それぞれの現状と取り組み報告が行なわれました。福島からは、双葉町の井戸川克隆・前町長と浪江町から避難している柴口正武さんが避難者の立場から「事故は全く収束していない」などと東京電力と政府の対応を強く批判しました。
第二部は女優の木内みどりさんの司会で進められ、最初に全員で黙とうを行った後、呼びかけ人から4人が発言。鎌田慧さんは「原発事故より経済が大事だという政治の動きがあるが、私たちはそれを許さない」と指摘。大江健三郎さんも「福島原発事故をなかったことにしようとする勢力と闘い、原発の再稼働はさせない」と語り「今日のデモは最後まで歩く」と決意を表明しました。落合恵子さんは「原発を推進してきた自民党が政権を取ったが、くじけずに行こう」と呼びかけ、澤地久枝さんは「福島で被曝した人達は全て国の責任で補償させよう」と訴えました。
早くから原発問題を訴えてきた作家の広瀬隆さんは、地震発生や子どもたちの健康、生態系のの異変など、原発事故による恐怖の実態を指摘した後「原発を稼働させる方が多大な金がかかるということをマスコミはきちんと報道してほしい」と訴えました。また、集会参加のために来日した韓国の環境団体「韓国環境運動」の共同代表で「核なき世界のための共同行動」のチェ・ヨル代表が、国際的に連帯して脱原発をめざそうと呼びかけました。
最後に福島から京都に避難している斎藤夕香さんが「事態の深刻さを知らずに避難をしていない人も多い。多くの人に伝えていきたい」と述べ、「私たちのことを忘れないで、繋がってほしい」と訴えました。
集会後に、二つのコースに分かれて、「原発はいらない」「政府は責任を取れ」「エネルギー政策の転換を」「再稼働を許すな」などとシュプレヒコールを行い、横断幕やプラカードを持ち、沿道の人達に呼びかけながら行進をしました。
(写真:事務局)