9月16日、東京・代々木公園で「さようなら原発全国集会」(主催・「さようなら原発1千万署名」市民の会)が開催され、全国各地から8,000人が参加しました。福島原発事故から8年半がたちますが、いまだ多くの難題を抱え、4万人を越える被災者が苦しい避難生活を続ける中で、「フクシマを忘れない」、「脱原発社会の実現」を掲げて、様々な課題が訴えられました。
主催者を代表して、落合恵子さんは、「原発被害は現在進行形で進んでいる。新しい環境大臣は、どう対応するのか問いかけていきましょう。」と熱く語り、「原発ゼロをめざしていきましょう。できなければ私たちは、なんて悲しい人生を送っているのでしょうか。」との澤地久枝さんからのメッセージも紹介しました。
千脇美和さん(福島原発事故刑事告訴支援団)から、これまで行われてきた「福島原発事故の責任を問う東電刑事裁判」の争点について報告・説明があり、3日後の9月19日に判決が出ることが報告されました。また、熊本美彌子さん(避難の協同センター)から、避難当時、国家公務員宿舎に入るしかない状況で、契約内容も確認することなく契約・入居した人たちが、2年間の契約だったため、現在、家賃・駐車場代を2倍の金額を払うように言われ、納付書が送られていることが報告されました。
子どもたちの甲状腺検査に関わってきた木本さゆりさん(東海第二原発差し止め訴訟)は、震災当時、放射線汚染を身近に感じ、ヒバクは現実のものとして、自治体に調査等を求めたこと、その後の取り組みについて報告されました。また、2018年3月に立憲民主党など野党4党が中心となって国会に提出した「原発ゼロ基本法案」が、原発推進の与党などによって、本来真摯にエネルギー政策が議論されるべきところが棚ざらしになっていると、山崎誠議員(立憲民主党)から報告されました。
最後に呼びかけ人の鎌田慧さんから、事故後の8年半、原発はどうしたら安全かなどの科学論争が行われてきたが、人類と原発は共存できないことがはっきりした。人間として原発を許すことはできない。市民一人ひとりが立ち上がり、がんばりましょう。との力強い訴えがあり、集会は閉会しました。