(子ども甲状腺がん裁判支援者からの訴え)
これまで新型コロナウイルス感染症蔓延のため「全国集会」としての開催ができませんでしたが、感染症対策が緩和され、3年ぶりの「全国集会」となりました。沖縄から北海道まで全国各地から4700人が集まりました。
集会は、冒頭、3月3日に亡なった呼びかけ人の大江健三郎さんをはじめ、東日本大震災犠牲者や震災関連死した人々を追悼して黙とうを行いました。呼びかけ人の鎌田慧さん、落合恵子さん、澤地久枝さんは、「さようなら原発」の運動と大江さんのかかわりを紹介し、彼を偲びました。そして、それぞれが脱原発への思いと決意を語りました。
この3月で、2011年の福島原発事故から12年目を迎えました。しかし事故後も課題は山積しています。
この春から夏にかけて国や東電は、放射能汚染水の海洋放出を開始しようと狙っています。福島の「これ以上海を汚すな!市民会議」の佐藤和良共同代表から、その危険性や理不尽さが訴えられました。「当事者の了解なしでは放出しないと」との約束を反故にしようとする暴挙を許してはなないと訴えました。避難者の熊本美彌子さんからは、自宅が放射能で汚染され、現在20ミリシーベルまで「我慢」しろと被曝を強制されることに対して、一般人の年間被曝線量(1ミリシーベルト)に戻して欲しいと訴えました。子ども甲状腺がん裁判の原告のメッセージが代読され、訴えに至った子供たちの思いを共有しました。毎年、労働組合青年部が中心となって進められている福島連帯キャラバン参加者から、今月18日~21日までの福島~茨城~東京と続けてきた行動の報告がなされました。特に茨城では、東海第二原発の30キロ圏内の全自治体への申し入れ行動、福島県内での署名活動や集会の取り組み報告がなされました。
脱原発首長会議の元湖西市長の三上元さんからは、ウクライナの原発占拠の問題と合わせて、原発が攻撃対象とされる危険性があり、戦火になれば原発を守り切ることは不可能だと訴えられました。
柏崎刈羽原発現地からは、東京電力の再稼働の動きが報告されました。
原子力資料情報室事務局長の松久保肇さんからは、現在、国会の衆議院経済産業委員会で、GX(グリーントランスフォーメーション)推進法案が審議され、3月末には衆議院で審議入りするとの見通しが語られました。法案には原発の再稼働、原発の運転期間の延長、次世代革新炉による原発の新増設や建て替えなどが含まれており、その問題点が指摘されました。
その後参加者は、渋谷や原宿へデモ行進を行い、沿道の多くの市民に、「フクシマを忘れるな!」「岸田政権の原発回帰反対!」などを訴えました。
(福島キャラバン参加者)
(プラカードアピール)